慣れ親しんだ都美術館へ、昨日は行ってきました。
20数年、最初はほとんどの公募展に顔を出し、ある数年間は、
いくつかの公募展で、特別賞を提供し、その表彰式には会社代表で出席、
表彰状授与で表彰台にあがった事もあります。オープニングパーティは、大概、
顔を出していましたので、独立した今でも、行くと、中央の来賓席に通されたり
します。作家担当を天職と思うようになるのは当然の流れだった訳です。
そんな訳で、行くと、知った方に声をかけられることがよくあります。
最近は、案内を頂いても、なかなか行けない事が多くて心苦しく思っていますが、
昨日は国展の最終日、日頃、ファンで、最近始めたメルマガにも意見を言って
下さる大好きな先生の作品を観ておきたくて、行ってきました。先生のはすぐ見つか
りましたが、他にも案内を頂いている方の作品を探しつつ再度観て回ります。
会いましたねえ、その知った人に。
受付のおばちゃんにまで紹介してくれて、「この方は前田さん。大きい会社の偉い
人なの」って。「偉くない!偉くない!大きくない!大きくない!第一、その会社は
もう無いんだから。」
私にとっては遠い昔の話になっていても、最後に会った時から、今お会いした瞬間とが
つながって、あいだの時間が飛んでしまって無いんでしょうね。
迷惑がってはいけません。ありがたい事です。
しばし、一緒に会場を観てまわり、CD画集を創ってさしあげる約束をして別れました。
さて、この国展、受付でもらったチラシを読むと、
1918年(大正7年)創立で、その創立宣言(要旨)が記されていました。
「各自ハ各自ノ自由ノ創造ヲ生命トス」「芸術ノ創作ハ極メテ自由ナラザル可カラズ」
「本会ハ創作ノ自由ヲ尊重スルヲ以テ第一義トナス」
草創期うんぬんの中にある作家の名は、小野竹喬・土田麦壱僊・村上華岳・野長瀬晩花・
榊原紫峰・入江波光、梅原龍三郎・川島理一郎・福島繁太郎・・・。
来年平成18年で第80回展になるんですねえ。
80年前、表現の自由を求めて発表の場を切り開いた人達・・・。
自由、自由と、謳ったその要旨の内容から、窮屈だったのだろう当時の世相が垣間見れます。
これまで、作家発掘や見聞を広める為という角度から、一部を除いて、浅く広く公募展に
関わっていて、このようにひとつひとつの公募展の成り立ちに目を向ける事がなかったような
気がします。いや、今のこの年齢だから、こういうところに目がいくのかもしれません。
待つことを知る者には 万事が適当の時期に来る フランスの諺