上野都美術館へ行く機会があった
公募展のほとんどが
六本木の新国立美術館へ移った事から
この頃は
上野へ行く機会がほとんどない
久しぶりなので
2階レストランでランチをいただいた
すっかり変わった店内を眺めていたら
およそ30年も前の頃
ここで多くの公募展のオープニングパーティが
開催されていた頃のことが思い出された
昔も
こんなに広々としていたのだっただろうか
食事をしている人たちも大勢いるけれど
とても静かだ
あの頃は・・・
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このレストランに入ると
ギラギラとした個性の塊のような画家たちが居て
店内は一種独特のエネルギーに満ちていた
そんな公募展のいくつかで
私は会社代表で授賞式にも出るなど
いつもバラの飾りを胸につけてもらって参加していた
あまりにも遠い昔の話のように感じる
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そうやって
思いにふけっていると
広い店内で
かつての輝く画家たちが語り合う様子が浮かんできて透けて見えてきた
大勢でテーブルをしめ、周りを気にせず談笑する画家たち
一見けんかのように激しく言い合っている画家たち
立ち上がり、ここに我ありと言わんばかりに通路を歩く画家
等々
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年を重ねると
ついつい昔話をしたくなる
かつては
そんな昔話ばかりする人を煙たく思ったかもしれない
けれども
年を重ねた分
さまざまな風景が幾重ものレイヤーのように記憶にあるのだから
しょうがないのだと
この日ばかりは
その気持ちがわかるようになってきた自分を見つけてしまった
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おまけもあった
招待券をいただいた公募展を鑑賞後
同美術館で開催中の
バルテュス展も観ることができた
久しぶりに
絵画に浸っていられた一日だった